さまざまな通信ネットワークにおいて、IoT（モノのインターネット）が急速に発展する中、2010年の時点で、世界の125億のモノがインターネットに接続され、現在は5000億を超えています。また、AIの台頭により、インターネットに接続されたすべてのモノがフロントエンドまたはバックエンドのコンピューティングを通じ、全面的にAIoT（モノのAI化）にアップグレードされています。人々の生活も徐々に変化し、スマートホームが現在最も身近で革新的なAIoTの応用シーンとなっています。外部ネットワークに接続できるハブを介して家庭内のすべてのセンサーを接続し、イベントを他のセンサーのトリガーにしたり、連動させたりできます。例えば、温度センサーが設定した温度に達すると、エアコンがオンになって室内の温度を下げます。また、プログラムの自動化も可能で、例えば、帰宅モードのシナリオを設定しておくことで、帰宅時に帰宅モードが起動し、照明機器が自動的にオンになります。カメラにもインターネットとAIが加わり、AIoTの一員となっています。自宅療養、遠隔医療、リモートビデオ通話など、スマートホームのさまざまな応用シーンに対応しています。

　　従来のセキュリティへの応用を見ると、以前の監視カメラはあくまでもモニタリング装置に過ぎず、特に理由がなければ過去の映像を振り返ることもありません。そのため、リアルタイム映像であっても注視していなければ、即座に対応できるさまざまなチャンスを逃してしまいます。しかし、現在はAIのサポートにより、従来の応用シナリオが大きく変化しています。

　　小売業のシナリオを例にすると、現在、多くの店舗にカメラが設置され、隅々までモニタリングされています。また、モニタリング映像からは、証拠収集のほか、AIによる来客数の計算、来店客の移動軌跡の分析、人気の陳列棚や駐車時間の表示などが可能です。

　　AIにより映像情報は分析と計算が可能な「メタデータ（Metadata）」に変換され、ネットワークを介してビッグデータが蓄積されます。また、データ分析により、さまざまな情報を取得できる報告書やレポートを作成できます。セキュリティ監視業界における革新的なサービスとなり、将来的にはリース、サブスクリプション型の情報サービスが変革の方向性になるでしょう。持続可能性を実現するために、セキュリティ監視業界の製品や応用方法もテクノロジーの波とともにアップグレードと変化をしていかなければなりません。